ユダヤ雑学

ユダヤの格言集:多くを語らず、でもたくさん行動しなさい。

これまでに何度も訳しかけては断念していたユダヤの格言集「Pirkei Avot」ピルケイ・アヴォット(直訳すると「父の章」)をまた読み返している。歴代の著名なラビたちのユダヤ教の伝統に基づいた教え、その叡智や格言が詰まった倫理文学「ピルケイ・アヴォット」。

倫理や宗教観が薄れゆく昨今の日本の人にも響くものがあるのではないかしらと思うのです。今回はピルケイ・アヴォット1:15、1世紀のユダヤ人学者シャマイの言葉。

שַׁמַּאי אוֹמֵר, עֲשֵׂה תוֹרָתְךָ קֶבַע. אֱמֹר מְעַט וַעֲשֵׂה הַרְבֵּה, וֶהֱוֵי מְקַבֵּל אֶת כָּל הָאָדָם בְּסֵבֶר פָּנִים יָפוֹת:

Pirkei Avot 1:15

1世紀のユダヤ人学者シャマイの言葉

『トーラーをコンスタントに毎日学び、多くは語らず、しかし多くのことをしなさい。そしてすべての人を快く迎え入れなさい』

以下、これを噛み砕いた米国のDr. Joshua Kulpというタルムード学者の解釈

「トーラーを日々決まった時間で学び、生きる上での導きとなるようにしなさい。そして学んだことを他の人々にも広めなさい。また旧約聖書の創世記(18;5)のアブラハムのように人のために自分のできる限りのことをし、病人を見舞い、貧しい人に手を差し伸べ、多くは語らず尽力し、すべての人を快く迎え入れなさい」

多くを語らずでもたくさん行動しなさい、が心に響く。日本で暮らしていると、ついつい楽な方へと流されてしまう。どんどん自分が以前学んだ「生きていくための教え」から離れていく気がするのはなんだか不本意で、時々こうして読み返したりして軌道修正しないとね。

オクノトDIARY · ユダヤの食卓

ブレッカスで美味しい時間

“Mann Tracht, Un Gott Lacht”

人は考え計画し神はそれを笑い飛ばす。毎度ながらこのイディッシュ語の諺しか思いつかないくらい、あれよあれよと人生が押し流されてゆく…そのスピードについていくのがやっとで、くるくる目が回る…。

ある日の夕暮れ。ちょっとドゥブロヴニクあたり、アドリア海の風景に似てた。

だけどそんな時こそ、楽しいことをやらなくちゃ!

最近のマイブームはパイ生地。クオリティーが高いニップンの冷凍パイシートは某著名なフレンチシェフもお薦めするくらい本当に美味しくて使いやすい。先日その冷凍パイシートで何を作ろうかと考えていたら、おおっ、そや、ブレッカス!

ポテトブレッカス。黒胡椒をアクセントにして茹でたじゃがいもと玉ねぎのフィリングで。サクッと焼き立て熱々が旨い!

ブレッカスはイスラエルの国民食。パイ生地にじゃがいもやマッシュルーム、カッテージチーズを包んで焼いた軽食で、そうねー、日本で言えば肉まんとかおにぎりとか、サンドイッチとか、お惣菜パンとか、手軽で美味しいそんな立ち位置かしら。

エルサレムの市場にあるパン屋さんの熱々の焼きたてのブレッカスの美味しいことったら!そのイスラエルの国民食ブレッカスが食べたくなって、何十年ぶりかで焼いてみた。ブレっカスは裏切らない。日本で食べてもうまい!

これは是非友人にも食べてもらいたいと、その週末、早速近くに住む友人夫妻宅で試食会。いやー、皆さんかなりお気に召した様で「店出せる!」とか「キッチンカーで売れる!」とか、久しぶりに楽しく盛り上がったのでした。そんな美味しくて夢のある時間は良いね。キッチンカーかぁ。楽しそうだね。わくわくする。神はこれもまた何言ってんの?と笑い飛ばすのだろうか。たまには協力してくださいよねぇ、ほんまに。美味しいは笑顔と幸せを運ぶよ?地球が平和になる。笑。

初めて自分で小麦を配合して焼いたプチフランス。パリッとモチっと。いいね。
裏山で採ったむかご。むかごご飯に。
いつかの朝焼け。これもアドリア海を思い出した明。

さあ、今週も良い1週間でありますように。日々是好日。

オクノトDIARY · ユダヤ雑学

みんな歌えるヘブライ語?!

あらびっくり。

昨日このブログを更新しようと思ったら画面に「このブログは現在利用できません」て、え?なんなのよ、いつからなのよ。カスタマーサポートに連絡したら、自動なんちゃらで引っかかって利用中止したけど、問題ないみたいなのでまた使えるようにしましたよ!ですって。ま、それならそれで良かったです。はい。

閑話休題。

ストレス発散にと始めた言語学習アプリDuolingo。ここのヘブライ語が楽しくて、お陰で連続学習50ン日!いえい!ほんの5分の日もあれば1時間ほどやっちゃうこともあるくらい、すっかり毎日の習慣になった。運動とかだと三日坊主でも、パソコンの前だとけっこう楽しんでできちゃうのね。チリも積もれば、で毎日続けることを目指してみた。

さてこのヘブライ語。実は日本国民みーんなが知ってるヘブライ語がある。そう、あの軽快な「マイムマイムマイムマイム、マイムベッサソン!」でお馴染みのあのフォークダンス。このおまじないみたいな言葉で大合唱しながら、みんな手を繋いで輪になって、なんの歌かも全然知らないけれど、でもとりあえずみんな踊れちゃう。戦後の昭和の子供たちが踊るあのフォークダンスソングはヘブライ語の歌だった。へー、でもなんでヘブライ語の歌が???

この不思議については随分前にブログでも書いたけど(遠過ぎていつだか覚えてないわ笑)、サクッと言うと戦後GHQの教育担当者だったウィンフィルド・ニブロ氏の趣味がフォークダンスだったからです。あはは。フォークダンスが国民の娯楽と教育に良いのではと当時の国策として文部省もそれに乗っかり、オクラホマミキサーと同じくマイムマイムは子供から大人までみんなが踊れる日本の代表的なフォークダンス曲となる。ほー、なるほど。

そういう経緯なんだけど、マイムとは水、ベッサソンは幸せと共にという意味のヘブライ語。

ושאבתם מים בששון ממעייני הישועה

訳すると「救いの泉から水を汲もう」かな。この歌詞は旧約聖書のイザヤ書第12章第3節からで、戦後のシオニズム運動で世界各地から現在のイスラエルに帰還したユダヤ人たちがその荒れた土地を開拓し、ようやく水が得た喜びの歌だった。マイムマイムマイムマイム…を現代的に関西語訳すると「水やん!水やん!なあ、やったで、めっちゃうれしいやんなあ!」て感じかしら。

その短調メロディーが日本人の心にも響きやすかったのかもね。ちなみに世界広しと言えども国歌が短調なんてイスラエルと日本ぐらいじゃないのかな。

今はネット時代。能登の限界集落からでもこうやって世界と繋がれる。てか、繋がらないとまずい。取り残されちゃう。できれば時々海の向こうに出たいのも本音だけれど。ま、それまではコツコツ、パソコンの前でマイムマイムを口ずさんだりしながら小さな幸せを探して行こう。(ちなみになぜかこのブログの読者さんたちは日本以外でもドイツ、アメリカ、カナダ、イスラエルなど海外からの方も多くて、まだ見捨てられてない気がしてうれしい。笑)

オクノトDIARY

9月

世の中にはしんどい事や辛い事、ままならない事で溢れてる。世界規模でも小さな私の日常でも。

だけど、だからって悩んでいても落ち込んででも仕方がない。時間はどんどん過ぎて行くし、くよくよしてるのがもったいない。

今度は新たに咳喘息が発覚して、えー?!いつから???…そういえば数年前にもひどい咳が2ヶ月ほど止まらなくて、町医者から咳止めをもらったりして、でもあれは既にそうだった気がする。クロアチアに住んでいた頃にした検査では樺の木アレルギーで、でも今回はなんとネコアレルギーも引っかかって来た。およよ。

そんなこんなで、他にも頭を抱えたくなる事は星の数ほどあるけれど、そんな時は楽しいことをする!心豊かになることをする!

天気の良い週末。体調がまあまあでもゴロゴロはやめて、1時間ほどカヤックで海に出る(二人乗りなので、私は前で休み休み漕ぐ程度で体力温存)。海に出るとただただ楽しい。嫌なこと、つまらないこと、モヤモヤ、全部どうでも良くなる魔法が海にはある。残念ながら今年は天候もだし体調もだしで、ほとんど出られなかったけど。

その他では、スマホでできる外国語学習アプリにハマっている。ちょっとゲーム感覚で楽しめて、クロアチア語とヘブライ語を基礎からやり直し。すっかり忘れてる…けど、今のところ1ヶ月ほど毎日30分ほど、タスクごとにクリアして、全問正解が続いたりすると私って天才なんじゃないかしらと一人でイヒヒッ、十分楽しいのである。

そんなふうに楽しいことや好きなこと、ちょっと自信に繋がることをちょこちょこと生活に取り入れて、気分転換。あとは信頼できる良き人たちとアイデアの交換や意見を聞いたりして、そんなことを繰り返しているうちに、きっとそのうち何処かに辿り着くはず。

季節はあっという間に9月。蟲の声が夜風と共に涼しくて。もうすぐユダヤの新年もやってくるし、ほんと早いなあ。今年も残りあと数ヶ月。

ヘブライ語 · 勝手にレコメンデーション

『靴ひも』

Amazonプライムで2018年のイスラエル映画『靴ひも』を観た。イスラエル・アカデミー賞ノミネート作品で父親役のドヴ・グリックマンが助演男優賞を受賞した作品。東京国際映画祭でも上演され話題になった。

物語の舞台はエルサレム。発達障害の息子と30年ぶりに暮らすことになった父との、実話に基づいた物語。発達障害や老いなど、ちょっと重いトピックではあるものの、そこはイスラエル。現実的でちょっとコミカルで、イスラエルの名優たちの熱演に惹きつけらる。

この映画を通して、発達障害の人も一人の人間で、強い意志も想いも選択権もあるんだという、そんな当たり前のことを再確認した。もう一度観てみようと思う。

主題歌『תני לי זמן』の切ないピアノと歌声が心に響く。

主題歌 תני לי זמן 

יכול להיות שהעולם הזה אכזר
יכול להיות שרק אלי
יכול להיות שאני מרגיש מוזר
יכול להיות שרק אולי
אנ’לא מושלם אני יודע
אפילו לא קרוב לזה
וגם אם את כבר לא שומעת
אני באמת עוד מנסה

תני לי זמן, תני לי זמן
תני לי זמן להיות קרוב יותר לכאן
תני לי זמן, תני לי זמן
תני לי זמן להיות קרוב יותר לכאן
ולפעמים אני בורח
נעלם גם לי גם לך
אבל תמיד תמיד יודע
אני תמיד רוצה אותך

יכול להיות שהעולם הזה קצת קר
יכול להיות שחם מידי
יכול להיות שטוב לך כאן איתי
יכול להיות שבלעדיי
אנ’לא מושלם אני יודע
ויש לי אלף בעיות
וגם אם אפ’חד לא שומע
אני מודה בטעויות

תני לי זמן, תני לי זמן
תני לי זמן להיות קרוב יותר לכאן
תני לי זמן, תני לי זמן
תני לי זמן להיות קרוב יותר לכאן
ולפעמים אני בורח
נעלם גם לי גם לך
אבל תמיד תמיד יודע
אני תמיד רוצה אותך

この世界は残酷かもしれない
僕だけかもしれないけれど
奇妙に感じるんだ
僕は完璧なんかじゃない、そんなことわかってるよ
そこに近くでさえない
君がもう何も聞こえなくても
それでも僕はまだ本当に頑張ってるんだ

時間をもらえないかな
時間が必要なんだ
ここに近づくための
時間をもらえないかな
時間が必要なんだ
ここに近づくための
僕は時々逃げることだってある
自分からも、君からも
だけどこれだけはわかるんだ
いつもいつだって君といたいんだ

多分この世界は少し冷たい
もしかしたら熱すぎるかも
君が僕と一緒にいるのは正しいかもね
でも一人の方が良いかもしれない
僕は完璧なんかじゃない、わかってるよ
数えきれないほど厄介なことも抱えてる
もし誰にも届かなくても
自分の過ちは認めるよ

時間をもらえないかな
時間が必要なんだ
ここに近づくための
時間をもらえないかな
時間が必要なんだ
ここに近づくための
僕は時々逃げることだってある
自分からも、君からも
だけどこれだけはわかるんだ
いつもいつだって君といたいんだ

(和訳 Chika)