カテゴリー: 混沌の文化

中東アジアとルーシー・リュウ

前回の投稿を書いてから、ぽろりと使った「先進国」という意味はなんだろうなあ、と。先進国に対して後進国というのもあるわけで、シラミのコメントをたくさんいただいて、だったらシラミがいると先進国ではない?とか、いや、そういうことでもないな、とか、ぐるーんっとアタマの中を回ったわけです。

で、オンライン辞書では、

「先進国(せんしんこく)とは、高度な工業化を達成し、技術水準ならびに生活水準の高い、経済発展が大きく進んだ国のことを指す。後進国(現在では開発途上国又は発展途上国、途上国の方が一般的)に対して、先進国と呼ぶほか、先進工業国、富国、中進国、高所得国などとも呼ばれることがある。」

だそうです。

とどのつまり、あえてなくてもよい言葉なのでは?後進国というのもなんだか不思議な言葉です。つまり先進国というのは、文化や価値観などといった人の意識には関係なく、技術や開発面で優れ、それによってお金のある国ということでしょうか。技術開発「だけ」ならイスラエルもそう悪くはないですが。

もともと中東からの人たちのほかにもロシア、北南米、欧州各国、アフリカ、と世界各国からのユダヤ移民も多いメルティング・ポットなイスラエル。そのイスラエル人二世、三世によく「君はアジア人だし」と言われることがある。「そういうイスラエルも位置的にはアジアでないの?」と、聞き返すと「・・・そんなアホな!」と返ってくる。「だって、ヨーロッパでもなくアフリカでもなく、中東は立派なアジアやん?欧州から見て日本が極東アジアなら、ここは中東アジアでしょう?」「ち、ち、ちがう、アジアじゃない・・・中東だ・・・」 いや、だから・・・。アジアだと恥ずかしいのかな?

ですが、近所に住むシカゴとロシア出身の女友達ふたりは「アジアの女性っていいよね~、きれいよね~、ほほ骨が高くって、スレンダーよね~、うらやましいな~。ほら、ルーシー・リュウとか!」・・・だって。ん、まあ、好みの問題ですが、ルーシー・リュウねえ・・・。どこか片桐はいりに似てるような似てないような。

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カテゴリー: 混沌の文化

シラミの先進国

ちょいと息抜き。

テヘランのサラさんのブログの「英語とフーンギャルムと」を読んでいて、そういえばエルサレムでも同じような失礼なことはよくあるなあと。こちらの場合は人々の血が熱いというよりも、単なる無知でしょうけどね。

たいていの場合、エルサレム人にとってはアジア人ならどこの国の人でも同じらしく、タイ、フィリピン、チャイナ、と道端でいきなり呼びつけられることが多い。一時期は「タイランディー!チャイナ~!チンチャンチャン」と、路上での冷やかしがあまりにもひどかったので、通りを歩くときにうつむいて歩く癖がついてしまったほど。こういう人たちは相手にしてもつかれるだけなので、なるべく目立たないようにと、道を歩くのがちょっとつらい気分だった。

そして最近ではよくタクシーで、こういう失礼な会話が多い。

運 「どこの出身?」
私 「ヤパン(日本)やけど?」
運 「ここに住んでんの?」
私 「左様ですが?」
運 「仕事してんの?なに?」
私 「してますよ、コンピュータ関係」
運 「はっはーん、わかったよ」
私 「なにがよ?」
運 「ヤパンよりこっちのほうがいいんでしょ?
   イスラエル国籍とパスポート取りたいんでしょ? 
   だってイスラエル、君の国よりもずっと先進国だしっ。ふっ」

な、なんですとー?日本よりイスラエルのほうが先進国?バカ言ってもらっちゃ困りますねえ。が、説明したところで彼らは往々に自己完結しているので「イスラエル国籍?イスラエルのパスポートなんて使えないものいらないってばっ、ふっ」と軽く笑って終わりにする。たいていはこれでぐうの音が出ないようで、黙り込んでしまう。が、東アジア=極貧、イスラエルは世界一というなんとも思い込みの激しさというか、お国自慢も愛国心が強いのもいいけれど、もう少し世界を見まわしてみたら?と言いたくなる。やはりエルサレム、学問の街でありながらも、大いなる田舎である。

仕事でパレスチナ地区へ出入りをしているイスラエル人の友人いわく、むこうのプロパガンダに洗脳されているパレスチナの住民たちの中には、イスラエルはまさに蜜の流れる花咲き乱れる桃源郷だと信じて疑わない人たちもいるそうだ。そういう限られた情報状況下でなら、イスラエルがどこよりも勝っている国と思ってしまうのは理解できないでもないけれど。

先日何気なく見ていたテレビで、小学生ぐらいの女の子をモデルに、なんとシラミ取りスプレーのような製品のコマーシャルを見てかなり驚いた。以前から小学生にシラミがいるとは聞いていたが、まさか、まるで蚊取り線香でも売るかのように、あたりまえに流れるそのシラミ取りのコマーシャル。いったいどこが先進国や・・・。

カテゴリー: ユダヤ雑学

シナゴーグ考

エルサレムの旧市街の外に作られたシナゴーグ(ユダヤの宗教でいう祈りとコミュニティーの場)で、いちばん古いものが繁華街のど真ん中のナハラット・シヴァ通りの裏路地にあります。といっても写真のこれ↑ではないのね、わははっ。ちなみに、自宅の近くには、とても美しいイタリア系のシナゴーグがあります。いちど写真を撮りたいのですが、そう思ってはやン年。ヨルダンやエジプトなどと同じように、近ければ近いほどわざに行かないのがナンですねえ・・・。

ある夜、たまたまそのいちばん古いシナゴーグのそばを通りかかったら、そちらはもう電気が消えていたのですが、その向かいにあるスファラディー系のシナゴーグに明かりが煌々と。窓の外から中を覗いてみると、お勉強会。うーむ。男性ばかりなのでさすがに入れてくれとは言えず、怪しくならないように窓にもあまり近寄らないようにこっそりと・・・。って、これじゃあ、かえってヘンですが。

 

 

 

 

 

 

 

 
窓の外からでは、結局何の勉強会だったのかわからずじまいでした。
次の更新はイタリアン・シナゴーグと行きたいところですねえ。

ユダヤ語かんたん注釈:シナゴーグについて

いわゆる祈りの場であるシナゴーグですが、コミュニティーの場としての役割も多く、エルサレムでは町内ごとにあります。毎日、近所の男性メンバーたちが朝昼晩の祈りに集まり、そのほかでは男児の成年式バルミツバを祝ったり、命日のアナウンスをしたり、コミュニティーにはかかせない存在。

シナゴーグの中では、「神」を現すヘブライ語の文字が飾ってあることはあっても、他宗教の教会や寺院で見られるような偶像やイコンなどは一切なし。これは、十戒のひとつ、「なんじいかなる像を造ってはならない」から、ユダヤでは偶像崇拝は禁止。シナゴーグの中では旧約聖書が、たいていはカギつきのクローゼットのようなところに大切に保管されています。どこに建っているシナゴーグでも、祈るときはみなかつての神殿の西の壁(嘆きの壁)に向かいます。

シナゴーグを大雑把に分けると、ドイツなどの東欧アシュケナジー系(イディッシュ語などを話すこと多し)と、スファラディー系(ラディーノ語を話すこと多し)に分かれ、それぞれのバックグラウンドにあったシナゴーグに行くので、アシュケナジーはアシュケナジーのシナゴーグへ、スファラディーはスファラディーのシナゴーグへ。アシュケナジーとスファラディー、基本的には同じユダヤでも、長い離散の歴史から互いの習慣のちがいやヘブライ語の発音のちがいなど、習慣的には異なりることがあります。

シナゴーグの内装を見ても、エルサレムで見るスファラディー系、シリア系などのシナゴーグは、アラブっぽく電飾ピカピカで派手。悪く言えばかなり悪趣味。これまた自宅そばにある、有名なシリアのアレッポ・シナゴーグはその頂点で、なかなかの異空間。集まってくる人々も、その家系の人たちなので、濃くて個性的&もろ中東な雰囲気。安息日でもわりとカジュアルな服装にキパ(頭に乗っているカッパのお皿ね)。あまりひげの長い人たちは見ないかも。上の写真のシナゴーグは、スファラディー系の割りにシンプルな内装。はい、これでシンプルです。

その反対にアシュケナジー系のシナゴーグは、小さくてもシャンデリアがあったりボルドー色の掛け布だったりと、ゴージャス系。これまたまた自宅から徒歩の距離にあるグレート・シナゴーグはなんというか、まさに筒抜けのコンサートホールのような雰囲気でさすが。他によく見られるのは落ち着いた欧州調で、派手ではなくてもシック。コミュニティーのメンバーも当然ヨーロッパ系の風貌なことが多く、黒いスーツに写真のラビのような黒帽子、ブロンドひげもじゃ系。中には黒ひげもあり。

っとまあ、かんたんにまとめようと思ったのですが、長くなりましたのでこのへんで(これでも説明としては短いのですが・・・)。次回はそれぞれのシナゴーグの写真があるといいですね。

カテゴリー: ユダヤ雑学

ジューイッシュ・ウェディング

さて、かんたんにユダヤの結婚式について。

日本では結婚式は日中に行われることが多いようですが、ユダヤの結婚式は夕方からはじまります。伝統的な結婚式では、別室で花婿がラビたちのもと結婚の契約書にサインをしている間、花嫁は白いウェディングドレス姿で、母親、親戚、友人などの近しい女性たちに囲まれています。

別室で契約書にサインをし終えた花婿は男性たちに連れられて、いよいよ花嫁のそばまでやってきます。花嫁はベールを顔の上に下ろします。結婚式の一週間前からこの瞬間まで、花嫁と花婿は会わないという習慣もあり、ようやくの対面にどきどき。花婿は花嫁のベールをめくり、その女性が間違いなく自分の妻になる人であるか、彼女の顔を確かめます。バイオリンや歌が歌われ、だんだんと結婚式は盛り上がりを見せます。

それから家を象徴するフパと呼ばれる天蓋に花婿と男性陣は歩いてゆき、準備が調うと花婿が待つフパへと、ベールの花嫁が母親と彼側の女性(母だったり姉だったり)に連れ添われやってきて、それを花婿が迎え入れます。そしてラビたちによる結婚の儀が司られ、花婿から花嫁の右手の人差し指にゴールドの指輪がはめられます。続いて結婚の契約書が読み上げられて、足元に置かれたワイングラスを花婿が「バンッ!」と踏みつけて割ります。これは、エルサレムのユダヤ神殿の崩壊への悲しみを、そして喜びの中でもその悲しみを忘れないようにという意味が込められています。花婿がサインした結婚の契約書には、離婚の際の慰謝料額など、さまざまな夫の義務が書かれていますが、妻の義務はなにも書かれていません。読み上げられる慰謝料の額が大きいと、「オオーッ・・・」と、まるでそれが夫の愛情の大きさかのように、ゲストからはやし立てるような驚きの声が聞こえたりするのがおもしろい。

こうして夫婦となったふたり。それからディナーがはじまり、しばらくしてからダンスへと。伝統的な結婚式では、日本でも有名なユダヤの踊り「マイム・マイム」のようなフォークダンス的なものが多いのですが、男女別で踊ります。伝統的な結婚式では夫婦でも人前で一緒に踊ったりはしないのが一般的。新婚ほやほや、晴れて夫婦となったカップルも一緒に踊ることはないですね。ですが、最近のモダンな結婚式では新郎新婦はもちろんのこと、男女一緒にディスコやテクノ、トランスのような音楽で踊ることもあります。

ヨーロッパの国々の中では、夜通し続く結婚式や、数日間にわたる結婚式もあるようですが、イスラエルで行われるユダヤの結婚式は深夜ごろにはお開き、というのが多いかもしれません。