カテゴリー: 月と太陽の傾き

ドヴェルチェ・パレスの午後

トラコシュチャンのお城よりも美しかった。

イリツァ通りから世界一短いケーブルカーでゴルニ・グラドの一郭へ。その屋敷に一歩足を踏み入れれば、窓から見下ろすザグレブの街並も、いつもよりも美しく見える異空間。

(写真は携帯のカメラ。あまりキレイじゃないのが残念)

DSC00542

DSC00452

DSC00460

DSC00456

DSC00525

DSC00530

DSC00528

DSC00531

DSC00517

DSC00478

空色、桃色、木彫り、天使の天井画、それぞれの部屋に施された贅沢な飾りの、ヴェルチェ・パレスでランチパーティー。ひっそりと静かな奥の小さなティーサルンは桃色シルク、ふわふわ綿菓子夢空間。窓からは赤い屋根と柔らかなブルーの空。三部屋続きのビュッフェ。キラキラ、シャンデリア。

パーティーも終り人々が去ったあと。午後の日差しが心地よい大広間のソファーに腰掛けた。すると、かつてのここでの日常のワンシーンのように、若い給仕の男性が『マダム、どうぞ』。はじけては消えてゆく夢の泡。うすい琥珀色のシャンパンを差し出した。

いいね、たまにはこんな午後の過ごし方も。

さーてと、現実に戻りますか。

***

ドヴェルチェ・パレス(Dverce Palace)。ザグレブのアッパータウン、ゴルニ・グラドのロトルシュチャク塔(Kula Lotrščak)にかつてかかっていたドゥヴェルチェ橋の隣りに18世紀に建てられ、1912年に当時のお館様クロティルダ・ヴラニツァニー夫人によってザグレブ市に寄贈された屋敷。残念ながら一般公開はしておらず、昨日のような市民名誉賞の授賞式など市の公式行事のみに使用されている。写真は上から2番目、ザグレブ市長(再選なるか?!)。上から5番目、お館様。フヴァル島出身で大富豪となり、1848年、クロアチア初の財務大臣に任命されたAmbroz Vranyczanyの娘クロティルダ・ヴラニツァニー (Klotilda Buratti-Vranyczany)夫人。上から7、8番目、昔使われていた陶器製のストーブ(kalijeva peć)。

カテゴリー: ホロコースト

ユダヤ映画祭3

ザグレブで催される数々の文化イベントのオープニングは華々しい。副大統領など各界の著名人の顔ぶれで日曜の夜7時、古きよきロマンティックな劇場風の内装が美しい映画館キノ・ヨーロッパにて、今年もまたJewish Film Festival Zagreb(ザグレブ・ユダヤ映画祭)が開幕。今年で第3回目。

2009年アカデミー賞短編実写賞作品『Toyland』で幕開けした今年のテーマは「戦時下(第二次大戦下)の子供たち」。昨夜の上映は『The Boy in the Striped Pajamas(縞格子のパジャマの少年)』相変わらず重いなあ。

まあ表現したいことはわかったけど、と10分ほどで展開する『Toyland』。そして、だから?・・・なパジャマの少年映画。予告編はかなりドラマチックだけど。この映画だけでなく、誇張されたストーリー、お涙ちょうだい展開、なにが言いたいのかわからない結末。いくつものホロコーストをテーマとした映画を何年もに渡り観過ぎたせいかわからないが、もう、そんな映画たちに「だから?」で終ってしまうことが多い。でも、昨年はけっこう興味深く観ていたんだなと昨年の映画祭の感想を読み返してみて気がついた。やはり作品によるってことかな。

オープニング後は、映画祭のゲストでイラク系イスラエル人ミュージシャン、 Yair Dalal(ヤイル・ダラル)のコンサートへ大聖堂そばのホールへと移動。砂漠とらくだと、アラブ語アラブメロディーと、アラム語とヘブライ語と。久しぶりの中東ムード。

IMG_3920

コンサート終了後、友人のM女史と深夜のお茶タイム。なぜユダヤ映画=ホロコーストになるのか、他にもユダヤ関係の映画はあるだろうし、ジョーク好きのユダヤのコメディー映画だっていいじゃない?そうなのよそうなのよ、もうホロコーストはひとまずあっちに置いて、よね。そんな会話。あまりにも根深いユダヤ=ホロコーストの欧州。そろそろそのイメージとアイデンティティを彼ら自身が拭いとらないといけないのでは。

オープニングとコンサートで久しぶりにルスティグ氏(アウシュヴィッツからベルゲン・ベルゼンを生き延び、ハリウッドで『ハンニバル』や『シンドラーのリスト』などを手がけ、オスカーにも輝いたクロアチア出身の映画プロデューサー)に会う。彼から聞くハリウッドのゴシップなど、それはそれでまた楽しいですな(笑)。彼と一緒の写真を載せようと思ったけど、やっぱりそれは思いとどまりました(スミマセン、自分の写真を載せるのが躊躇われるので)。

カテゴリー: ホロコースト

もういちどはじめから

クロアチアに春が来て夏が来ると気が重くなる。そう以前このブログでちらりと触れた。ホロコースト(ヒトラーにより欧州で組織的に行われた、ユダヤ人の抹殺を目的とした大量殺戮)の犠牲者への追悼式典がいくつか国内にて行われる季節だから。

1945年の沖縄の慶良間諸島の小さな島でのできごとを取り上げた日本の番組をyoutubeで観た。もう一度考えさせられた。その同じ時代に、沖縄から遠く離れた欧州でおきていた、もうひとつの、塗り替えられてもう忘れ去られてゆくだけのホロコースト。

今はもう世界地図から消えてしまったユーゴスラヴィアという国で、未だホロコーストという過去を胸に秘めて生きているひとたち。彼らの話しをまとめてカタチにして、だから?それで?腑に落ちない現在のホロコースト教育の意義やその他諸々の理由で、ここしばらく迷ったまま、ぶれたまま、見失ったまま、だった。

ただ欧州でそういうことがあったんだと、そういう体験をしたひとたち、彼ら自らの語りを日本語で日本のひとたちに伝える。いいじゃない、ひょっとしたらそれだけでもなにかの意味が意義があるかもしれない、いや、なにもないかもしれない。先は、わからない。やってみなければわからない。先なんて、わからなくていい。

また、来週ひとつ、重い日がめぐってくる。今年はもう行かないでおこうかとも思っていたが、やはり行こうと思う。一年前、一緒にバスに揺られて行ったあのおじいさんはもういない。現世を終られた。わたしが迷っているあいだに、彼のはなしを聞けないままに。

もう一度、はじめからやり直してみようと思う。

IMG_3138
(イスラエル政府による、戦時中にユダヤ人の少女を救ったとある故尼僧への名誉勲章と感謝状寄贈式典にて)

カテゴリー: 月と太陽の傾き

とりあえず。

IMG_3802 copy

たったこれだけなのにね、
港から出てゆく船の、
港へと着く船の、
男の子の、女の子の、
それを眺めている人の、
椰子の木の、
空の、
風の、
雲の、
太陽の、
月の、
☆の、
匂いの、
キラキラ光るさざ波みたいな、
いくつものストーリーがあってね、

だから海が、
港街が好きなんやなって。

うん、ちがうな。
なにもなくても
海が、
ただ、
海が好きやねーんっ!

ただいまっ。
応急処置的充電完了也。

カテゴリー: 勝手にレシピ備忘録

雨上がりの夜空にパン。

載せてなかったあいだもパンを焼いてなかったわけじゃない。載せなかっただけ。四つ編みパンはどうもうまく行かないから、三つ編みをこうして編み込んだのが最近のパターン。昨日はゲイパレードがあった。行く?誘われたが、行かなかった。エルサレムでもテル・アヴィヴでもザグレブでも、その手のものにあまりキョウミはない。

_mg_0323

近頃のザグレブは気まぐれで、冷たい。昼間、お日さんがほんわりと暖かかったと思たら、急にご機嫌斜めで雷さまの太鼓に稲妻、ばらばらと激しい雨に変わる。気温もぐっと下がる。5月の初めなのに、ヒーターを入れる。ブーツを履く。ストッキングも履く。エルサレムのヒレル通りの洋服屋にカラフルな長靴が置いてあったのを思い出す。どうせ短い冬のあいだしかいらないから、とショーウィンドーの花柄やタータンチェックの長靴が気になりつつも通り過ぎていた。地球がご機嫌斜めになりはじめ、こんなにザグレブも気まぐれになるって知っていれば買っておいたのにね。

ぱんこねBGM・忌野清志郎『雨上がりの夜空に』ーきよちゃんと同じぐらい大好きで応援してる人、かんぺーちゃん。ザグレブ、いつか通過するのかな。彼の通過パレードならきよちゃんの作ったかんぺーちゃん応援歌『Run寛平Run』を大音量で流しながら応援に行くよ(笑)。