カテゴリー: くーし&たんたん, 勝手にレシピ備忘録

les papillons パン

くーしとたんたんはいっつも、ときどき、ドキドキ、ベランダからカラダを半分乗り出しては「下階はなにをするヒトゾ」。下階に住むナタリーとお母さんのベランダを、のぞき込む。

昨夜も

「こりゃ、くーし、なにしてんのん!」
「だってーーっ!」
「だってちゃう。そんなんよそのうち覗いたらあかん」
「だってーーーっ、ミツコがーーっ」
「ンーーー?」

くーしと下のベランダをのぞく。

「あ、チカー!」
「あら、こんばんわ」

ナタリーがくーしとふたごみたいなミツコを抱っこしている。

「くーし、これかいな?抱っこしてもらってるん、うらやましいん?」
「・・・そなことない・・・」

ぷいっ、くーし、ふくれる。

「今からコーヒーいれるから、チカも来る?」
「行く行く」

それから深夜近くまでナタリーのうちで彼女と彼女のお母さんと、特になんてことない話しをしながら時間は過ぎていった。そう、ごくふつうの、家庭に訪れる団らん。「ハリソン・フォード?うちも大好き!」「きゃーっ!趣味あうやん!」「あら、ママはベン・アフレック♪」ムスメふたり「ぎょえー、サイアク・・・」みたいな、そんな時間。同じアパートにこうしてちょっとお茶を飲める友達がいるってすごく便利で楽しいな。

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そして今日の午後はパンを焼いた。これだけ暑いと発酵がうまくいく。はず。BGMはゆるやかなフレンチ、トマ・フェルセン(Thomas fersen)「Les Papillons」小麦粉の残りが少なかったのに、うっかり水の量をいつもと同じほどにしてしまって、かなり柔らかい生地になってしまったのに。ふんわり、夏にぴったりの軽いふかふかパンが焼けました。

カテゴリー: 月と太陽の傾き

ありがとうミコちゃん

結論だけ言うと、ペットタクシーでザグレブ大付属動物病院のドクターの元に連れて行った最後の一匹だった子猫ミコ(チビちゃん)も、助かりませんでした。あの子と他の子たちの病状はここでは書くのは憚れるほど、もうどうにも手の尽くしようがなかった。小さな小さなミコは、子猫用ミルクを一緒に買いに行った一階のナタリーとおばちゃん、バイクで飛んで来てくれた友人のクリスチャン、そのまた友人、わたし、ドクター、たくさんの愛に見守られて、大好きだよ、今度は幸せになれるから大丈夫だよ、大好きだよ、もう痛くないよ、またね、バイバイ、バイバイ、大好きだよ、そう何度も何度も撫でながら伝え、痛みのないところへと安らかに、眠りにつきました。一生懸命、生きようとして、何度かはミルクも自分から欲して飲んだけれど、だけど、どうしようもなく、だめだった。

病院のゲートの前でその30分ほどのあいだ待っていてくれたペットタクシー(ザグレブで営業しいるペット運送専用の個人タクシー)の、すでに行きに事情を伝えてあった運転手のおにいさんブドミルが心配そうに「どうだった?」と尋ねてくれた。ブドミル、どうもありがとう。尋ねてくれてミコもきっと、感謝しているでしょう。ブドミルの一家は動物大好き一家だそうで、犬も猫もたくさん同居していて、それでペットタクシーをしているのだという。でも最近、ブドミルのかわいがっていた猫君が誰かに盗まれたそうで、とても悲しそうだった。自宅前について、往復運賃117クナ、手元には50クナ紙幣が3枚。ブドミルもおつりの持ち合わせがないというので、感謝の気持ちとしてそのまま150クナ受け取ってもらうことにしたのだけれど、「今回はそれはできない、100クナでいいから」と律儀なブドミル。ほんとうに、どうもありがとう。もう一度お礼を言って、名刺をいただいてお別れしました。小さな小さなミコとのいくつかの小さな出会い。ミコと出会った人たちは確実にミコからなにかをもらったよ。ミコ、力の限りの声で、わたしを呼んでくれてどうもありがとう。ミコちゃん、大好きだよ。ありがとう。

*ひとつひとつへの返事は差し上げられませんが、それでもよければ小さなミコちゃんたちへの言葉を残してくださいませ。読んでくださって、どうもありがとうございました。

(ミコと他の子たちが置き去りにされた経過がわかりました。が、この先は、かなり気分が悪くなるかもしれないので、読みたい方だけ、お願いします。またコメント欄をクリックすると下の記述も開くのでご注意を。)

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カテゴリー: 月と太陽の傾き

自然という残酷

昨晩あたりからまたミューミューミューミュー、夜中ごろになると子猫がよくないているのが聴こえて来る。昼間も泣いているのかもしれないが街の騒音であまりはっきりとは届いて来ない。

そのベランダから聴こえて来るもの悲しげな泣き声がもうなんというか、耐えがたく、今夜、意を決して携帯電話のライトを照らし、真っ暗な中庭(裏庭)に行ってみた。泣き声は一匹じゃなく2〜3匹、しかも1メートル以上の壁の向こう側、隣りの庭から聴こえて来る。ライトで照らしてもその姿は見えないのに、泣き声はそこにある。母猫はどうしたのだろう。こんなにも子猫たちが泣いて呼んでいるのに。

やりたくなかったのだが、よっこらしょいっと重い体でコンクリートの壁を乗り越え、庭へ降りてみた。泣き声のほうへ近づいていく。ここだ、という場所を見つけたのに、ライトで照らしてもまったく姿が見えない。おかしい。壁と建物のあいだにでもいるのだろうか。ミュー!ミュー!ミュー!ミュー!力の限り、力を振り絞って泣いている。どこ?どこ?どこ?

小さな小さな、10センチあるかないかの、赤ちゃんだった。一瞬ねずみなのかと見間違うほどに小さくて、目も開いていなければ這うことも難しいような、赤ちゃん。母猫は、産み落として、すぐに放棄したのだろう。それなのに、広い中庭いっぱいに響き渡るほどの大声で生きようとしている。・・・ミュー!ミュー・・・!そばに寄ったわたしの気配を感じて、一生懸命、近づいて来ようとする。小さな小さな腕を伸ばして、這っては頭から倒れ込む。ああ。持って行った子猫用の餌など意味がない。必要なのは優しい母猫の胸、ミルク。他の泣き声のするほうを照らしてみると数歩ほどの距離にもう一匹を発見。そして、その一郭に散らばるようにして、もうぐったりと地面の芝に埋もれるようにして、動かないもう一匹も・・・。

どうにもできない。こんなに小さければ連れて帰ったところで、生き延びれない。この暑さでは残りの二匹も明日には安らかに神さまのもとに帰って行くだろう。せめて、そう願いたい。願わせてほしい。早ければ早いほど赤ちゃんたちの苦しみは少ないから。できればくーしやたんたんのように、幸せな猫として現世を過ごさせてあげたかった。ほんの数日でも数時間でも数分でも、助けてあげたかったのに。せめて一度でも、おなかいっぱい食べさせてあげたかった。なにもできなくてごめん。こみ上げて来る涙が止まらない。ほんとうに、ごめんね・・・。なんだか悔しいよ・・・。明日には泣き声が止んでいることを、願う。ああ・・・わたしは、その死んでいるのかわからないそのぐにゃぐにゃしたものが、とても怖かった。力の限り這って来る、生きようとして這う赤ちゃんも、その姿がなぜか怖くて怖くて、触れられなかったんだ・・・。生まれたから、どうしても生きたいに決まってるのに、その姿を目の当たりにして、でも助けてあげられない。まるでゴミのように、庭で、死んで行く。今からでも、引き返すべきなのか・・・ごめん。ごめん。ごめん。

カテゴリー: グロスマンを読みながら

グロスマンを読みながら・更新

前回の昨年の10月末から、久々の更新です。

前回はDJのNaojiさんからいただいた質問への返答でしたが、
今回はそれに対するNaojiさんの返答と、
それに対するわたしからの返答です(ややこしい?)。

実は昨日一度更新したのですが、
なぜかうまくアップできず、今日になりました。

今回は今春欧州で行われたユーロヴィジョン2009のことなども交えて
読みやすくしてみましたので、
また興味のある方は読んでみてください。

グロスマンを読みながら(対話への対話)

*大桑・大黒の対話への感想・ご意見・質問はこちらまで。

カテゴリー: 勝手にレシピ備忘録

ふわっ、サクっ、親子唐揚げ。

もう毎日毎日雨雨雨雨・・・。雨、また雨。これを梅雨と呼ばずになんと呼ぶよクロアチア。降水量は例年より下回っているそうですが、毎日ですよ、毎日。現在もジトジト、ザーザー、ピカっ稲妻、ゴロゴロっ雷、もー、ほんま、いーかげんにしてくれー。やっぱり雨の降る街は、ニガテ・・・キライ・・・。しかも今日はめっちゃ肌寒いし。夏はドコーーーッ!暑かったり寒かったり、こんなんで心身ともに健康でいられるワケがない。

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さて。気を取り直して。

とくに片栗粉が手に入らない国にお住まいのみなさん、朗報です。そじゃない方もいつもとはちょっとちがった夕飯の一品に。自分で言うのもなんですが、このレシピ、グーですヨ(笑)。竜田揚げみたいな衣の、片栗粉を使わない唐揚げデス。レシピの分量はいつもながらテキト—ですから、各自で調整してください。

ベースにするタレ:
①おろし生姜。チューブじゃなくてちゃんとおろしてね。ティースプーン1杯+お好みでもっと。
(卵黄と混ぜるのでいつもよりも多めに入れて)
②醤油 スープスプーン1〜2杯(これもいつもよりも若干多めに)
③ごま油 たら〜っと少々
④おろしたまねぎ 半分、面倒なら3分の1ぐらいでもオッケー。紫たまねぎのほうがコクあり。
⑤卵黄1〜2個 (卵白は捨てんといて〜、次の日まで取っておいて)

以下 ↓ はなくてもよいけどでもあったら入れて。

⑥適当に鷹の爪、おろしにんにく
⑦日本酒またはみりん 少々

適当に唐揚げサイズに切った鶏むね肉2枚(またはお豆腐、セイタン、豚肉、牛肉、まぐろ、サーモン、つまり唐揚げにしたいものならなんでも)をこのタレに絡ませるように混ぜ合わせてから指でチョイチョイっと味見して、ピリリッ生姜が効いていればオッケー。お醤油の濃さ具合もこの時に調整。これを一晩か二晩、冷蔵庫で寝かせます。今回はわたしは鶏肉とお豆腐と両方一緒につけ込みました。

さあ、揚げますよ。

衣:
小麦粉
卵白(揚げる鶏肉の量によって1個〜2個)

まずはボールに卵白を溶いてね。それからタレに浸かった鶏肉を軽く小麦粉にまぶして、それを卵白につけ、そっとつかんでもう一度小麦粉をまぶし(ちょっとぬるぬるするけれど)、また卵白につける(一度つけでもオッケーだけど、しっかり衣なら二度づけがグー。お豆腐は一度だけのほうがサクッと仕上がるよ)。

中温の油の中にそれをそっと落とす。落とした瞬間に鶏肉の周りの卵白が多少ふわ〜っと広がれば温度的にはオッケーね。このまわりの卵白が後でカリッと香ばしくて美味しいのさ。中までしっかり火を通したいので火をちょっと弱めて、こんがりきつね色に揚ったら唐揚げのできあがり。お豆腐はそのまま中温でサッと短時間で揚げる。

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ちょっと和風中華っぽくて、卵黄がまろやか、卵白がふんわりサックリ旨し。揚げたて熱々を食べてね。冷やし中華なんかと食べても美味しそう。甘酢あん掛けにしてもいいなあ。お豆腐は揚げ出し豆腐みたいで、おろし生姜や大根おろしで食べてもサッパリ。

卵白が余ったら、なすびやズッキーニなんかも軽く小麦をはたいて卵白につけて揚げるとグーよ。ミョウガ、オクラ、牛蒡なんかもいいね(←そんなものは当然ここにはないですが、涙)。

カテゴリー: 混沌の文化

そんなの、いやだお。

自分と同じように外国から来た異邦人たちとつるむことに抵抗がある。その国の人たちとつるむのではなく。

なんていうのかな、クロアチアに移住して来た人たちはたいてい、この国の社会に行政に職場になんらかの不満を抱えている。だって、欧米諸国やアジアのいわゆる文明的な国々から比べれば、独立20年ほどの新生児クロアチアはまだまだなーんにでも気が遠くなるほど時間がかかる国。しかも地方の小さな町ならまだしも、首都ザグレブですら口先ばかりのとんだぬか喜び文化。とにかく変化を嫌う保守的なメンタリティー。ただなにも起こらずに日々が過ぎていくのを死んだように待っている。そんな印象が強い。そういう風習を受け入れるのは、ここで生まれ育っていない者、そんな生き方がイヤな者には大変なことだ。

同じく異邦人としてこの国にやって来たDちゃんが言う。もっと同じような境遇の人たちとわたしもつるめばいいじゃないと。みんな似たようなことでストレスを溜めているし、アドバイスしあったり同感することもあるだろうし、そういう過程で友だちができるよー。と。

言いたいことはわかるけど、とりあえず、一晩考えた。それで、やっぱりちがうと思った。助け合いやストレスを発散はよいけれど、傷の舐めあい愚痴の言い合い、それがメインの交流なんていらないな。そこから始まるものが見えないもの。一度、このDちゃんとDちゃんの友人(夫君がクロアチア人)でドイツから移住して来たとい女性と3人でお茶したことがあったが、二度とヤダな。ちょっと視点を変えてみれば理解できることも、彼女たち、鼻毛が飛ぶほどアンチ・クロアチアなトピックでエスカレート。そうだね、と相づちをうちながら早よ帰りたい・・・。でも在住何年経っても、こういう場所から抜け出せない異邦人たちはDちゃんたちだけに限らず、どこにでもにいる。

日本でもあるよ。外国人がバーであれこれ日本の悪口大会。言いたいこともわかるけど、それが日本。受け入れるか受け入れないか。イヤなんだったらここにいなくてもいいよ?誰も頼んでないし。母国へ帰れば?悪口を聞かされた日本の人はそう思うだろう。こんな国とは言えクロアチアでだって、それは同じだ。

ぷはーーーっ、うそーーっ、なんやそれ、げーっ、またか・・・ふざけろよ。脳みそがひっくり返りそうになる。失望にまた失望のくり返し。ドンキホーテのように立ち向かっても結局諦めるしかない自分に苛立ち、そして、どかーんっと空しくなる。そんなことが日常茶飯事だ。でも、それでも「国に帰れば?」なんて冷ややかに扱われるような、そんな寂しい悔しい外国人には成り下がりたくない。緒形拳さんの言葉、「あきらめなさい、それが人生よ」その意味を考えることの多い日々なのデス。