カテゴリー: 月と太陽の傾き

ザグレブで『おくりびと』

去年実家で、借りて来たDVDで『おくりびと』を観た。今夜ようやくザグレブで、というかクロアチアで『おくりびと』が公開され、もう一度観なおしたかったのでさっそく観に行って来た。初日なのに、観客は・・・10人いたかな? 週末だったらもう少し多かったかも。いや、わからん・・・。ちょっとマニアックでもなければわざわざ極東の国の、日本の映画を観に来るなんてしないかも。映画館のシートは思いのほかふかふかここちよく、大きくて、しかもがらがらだったからまるでホームシアター。

観終わって。音楽もよかったし山﨑努さんもいつもと変わらずよかったし、モッくんもちょっとコミカルでおもしろいことはおもしろかったけれど。なんだろ、全体を通してこれといったメッセージがあるわけでもないような、なにかが足りない。「おくりびと」というのも納棺する人や火葬場の係員ということ以外、いま一つはっきりしない。社長の仕事ぶりに心を動かされたモッくんや火葬場のおじさんの「ここだ!」というシーンで「・・・で、だから?」と、ちょっと首を傾げてしまうような表面的で少々稚拙な台詞で終っているのが残念なのは、死とは切り離せないであろう、哲学が、信仰が、そういったものがほとんど組み込まれていない薄さから来るのかな。でもこれはこれでちょっと泣けちゃう人間ドラマ映画でいいのかも。おそらくそういう作品なんだろうな。それならば全体を通して美しい映画かもしれない。

観終わってから「ちょっと駅のそばの居酒屋に寄ってから帰ろっか」なんてのが妙に恋しかったりして。いずれ『納棺夫日記』を読んでみたい。

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