カテゴリー: 月と太陽の傾き

ありがとうミコちゃん

結論だけ言うと、ペットタクシーでザグレブ大付属動物病院のドクターの元に連れて行った最後の一匹だった子猫ミコ(チビちゃん)も、助かりませんでした。あの子と他の子たちの病状はここでは書くのは憚れるほど、もうどうにも手の尽くしようがなかった。小さな小さなミコは、子猫用ミルクを一緒に買いに行った一階のナタリーとおばちゃん、バイクで飛んで来てくれた友人のクリスチャン、そのまた友人、わたし、ドクター、たくさんの愛に見守られて、大好きだよ、今度は幸せになれるから大丈夫だよ、大好きだよ、もう痛くないよ、またね、バイバイ、バイバイ、大好きだよ、そう何度も何度も撫でながら伝え、痛みのないところへと安らかに、眠りにつきました。一生懸命、生きようとして、何度かはミルクも自分から欲して飲んだけれど、だけど、どうしようもなく、だめだった。

病院のゲートの前でその30分ほどのあいだ待っていてくれたペットタクシー(ザグレブで営業しいるペット運送専用の個人タクシー)の、すでに行きに事情を伝えてあった運転手のおにいさんブドミルが心配そうに「どうだった?」と尋ねてくれた。ブドミル、どうもありがとう。尋ねてくれてミコもきっと、感謝しているでしょう。ブドミルの一家は動物大好き一家だそうで、犬も猫もたくさん同居していて、それでペットタクシーをしているのだという。でも最近、ブドミルのかわいがっていた猫君が誰かに盗まれたそうで、とても悲しそうだった。自宅前について、往復運賃117クナ、手元には50クナ紙幣が3枚。ブドミルもおつりの持ち合わせがないというので、感謝の気持ちとしてそのまま150クナ受け取ってもらうことにしたのだけれど、「今回はそれはできない、100クナでいいから」と律儀なブドミル。ほんとうに、どうもありがとう。もう一度お礼を言って、名刺をいただいてお別れしました。小さな小さなミコとのいくつかの小さな出会い。ミコと出会った人たちは確実にミコからなにかをもらったよ。ミコ、力の限りの声で、わたしを呼んでくれてどうもありがとう。ミコちゃん、大好きだよ。ありがとう。

*ひとつひとつへの返事は差し上げられませんが、それでもよければ小さなミコちゃんたちへの言葉を残してくださいませ。読んでくださって、どうもありがとうございました。

(ミコと他の子たちが置き去りにされた経過がわかりました。が、この先は、かなり気分が悪くなるかもしれないので、読みたい方だけ、お願いします。またコメント欄をクリックすると下の記述も開くのでご注意を。)

欧州の街ではよくある、10数軒の建物で長方形の中庭をぐるりと囲んだ作りのこの一郭。建物一軒につき12〜5家族ほどが住んでいる。その住民の一人(しかもおそらくはうちの建物の住人)に動物嫌いな人がいる。いつぞやは生まれたての子猫たちが臭いと言って毒を盛った。そして今回は中庭に住むミコたちの母猫を毒殺し(その後遺体を庭に放置)、結果、ミコたち生後一週間ほどの4匹の子猫が中庭の芝の上に放置されてしまった。話しによるとミコたちも毒を盛られたという(この部分は未確認)。クロアチアでは動物を殺すことは犯罪にあたるため、ドクターでも動物を安楽死させる場合は飼い主との同意書やその他の書類にサインしなければならない。今回母猫に毒を盛った人は、結果、計5匹の猫を殺したことで罪に問われなければならない、わけですが。

そういうわけで世話をしてくれるべく母を失い取り残されたミコたちは、肛門のまわりに寄るハエから湧いた大量のウジによって肛門から内蔵までを喰われ、出血していた。それを発見した瞬間、ミコを包んだ手が凍り付いて、もう助からないとわかったけれど、診察していただいたドクターも胸を痛めながら「なにか少しはできることがあるけれど、99%、それでも助からない。放っておいてもいずれは死んでしまうだろうけど、ともかく激痛のはずだからそれをすぐにでも断ち切ってあげるためにも麻酔で眠らし、そのまま永眠させてあげるのがベストでしょうね」と。

発見がもっと早ければ、助からなかったにしても、もっと早くその激痛から解放してあげられたかもしれない。あの泣き声はやっぱり、彼女たちの助けを求める悲鳴だったんだと思うと、胸が痛くて、涙があふれてしょうがなく、一晩中、何度も脳裏に浮かぶもがき苦しむミコたちの残酷なフラッシュバックに一睡もできず、病院を去る時にドクターに心配ないと言われながらも、うちの二匹の猫に悪影響がないようにと両腕をオペ用の消毒液で消毒してもらったにもかかわらず、しまいには体中をウジがはうようななんともいえない不気味な感覚に襲われ、耐えられずシャワーを浴び、ベッドに戻って目を閉じればまたフラッシュバックに込み上げる涙。その繰り返しで朝を迎え、今日一日、食べ物はなにを見てもウジが蠢いているようでなにも食べられず、意に反しての久しぶりの断食。さすがに今さっきあまりの空腹に目をつぶりちょっとだけ食べ物を診ないようにして無理矢理口に押し込んだ。今もキッチンに行くと、自動的に耳はベランダへ中庭へミコたちの声を探し、それらが聴こえて来ないことにほっとしながらも、悲しさでいっぱい・・・。

だけど今日の午後はクリスチャンが来てくれて、一緒に近所の植物園でまったりと数時間語り合った。彼のさりげない優しさに感謝。明日はもっと元気になろう。ミコ、そしてあと3匹の兄妹たちは今、あちら側でママと再会し、ミルクをお腹いっぱい飲んで幸せにしていることでしょう。

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ありがとうミコちゃん” への10件のフィードバック

  1. 生と共にあろうとすると何時もぶつかる 人の世界
    人の残酷さと 人の優しさ・・、どちらも人の本質

    時々人であることから逃げたくなる柔な人である私は
    にゃん達に教え、導かれて生きてきました。
    偶然にもこの世に生まれたから 力の限り生きるだけさ~ という
    その強さに、単純さに、いつも生きる力と励ましをもらってきました。

    ミコちゃんと出会えてよかったと
    呼んでくれてありがとうっ、、て 千花さんの言葉を読みながら 
    遠い地から 手を振っています。

  2. ママ猫がいなくなって兄弟姉妹がいなくなって
    それでも必死に鳴き続けたミコちゃん。
    最後、たくさんの人に見守られ
    愛に包まれて旅立てて本当によかった。
    巫女になったのね。私はちゃんとアナタから学びましたよ。

    私も花粉アレルギーやら他のアレルギーもあって
    動物にアレルギーがある人たちの気持ちはわかります。
    動物が嫌いだというのも分かります。
    でもだからと言って杉の木を残らず伐採したいとか
    サバを殺したいとか思いません。
    それはしてはいけないこと。それ以上をやってしまうと
    人間ではなくなってしまうから。
    その卑劣なご近所さん、どうか人間になってください。

  3. ミコちゃん、生まれてから辛くて悲しい事ばかりだったかもしれないけど、最期はちかさん達に見守られて、てのひらの暖かみを感じて、幸せに安らかに神さまのもとに帰ったと思います。
    私はクリスチャンではないけど、「あなた達の中のもっとも弱い者の中にわたしは居る」という聖句が浮かびました。
    ミコちゃんとその兄弟、母猫が安らかに眠れる様に祈ります。
    ちかさん、くー&たんのためにも早く元気を取り戻して下さい。

  4. こんにちは。久しぶりにお邪魔したら、すごいことになっていてビックリ。
    大変でしたね。
    でも、猫たちはきっと幸せでしたよ、人間の愛に触れられて。
    死んだ猫の分まで、くーたんたちを可愛がってあげてください。

  5. 大変な出来事にあわれました。お疲れ様です。
    最後までよんでほんとに切なくなりました。
    でも猫ちゃんたちはちかさんにありがとうって言ってると思います。
    生き物と一緒にいきるということがどういうことなのか、それは動物に限らないってこと、知らないといけないですよね。人間こそが生かされているのだと。

  6. 子どもの頃、同じような経験があります。
    今回の千花さんほどの大変な辛い思いをしはしなかったのですが、、、
    生後すぐに母を失いミルクも飲まず結局助けられなかった子猫達のこと、出産後すぐに交通事故で天国に行ってしまった、頭が良く美しかった母猫のこと、思い出しました。
    ミコちゃんたち、短い時間ながらこの世で千花さんにめぐり逢えて幸せだったんじゃないかなって思います。むしろ、短いと定められていた運命のなかで千花さんのことを選んで、そこに居たんじゃないかなって思います。
    どうか安らかに。

  7. 最初に壁を乗り越えた段階でチカさんに行動は決まっていたね。
    チカさんらしいわ~。

    ミコちゃん、最期にぬくもりを感じられてよかったね。

  8. 手の施しようがなかったと、後悔もしているようですが、
    チカさんは、まっとうに、全力を尽くしたことは事実で、
    こころだけでなく、行動が伴っていたので、
    ミコちゃんには、しっかり伝わって、(かかわった人間にも)
    安らかな気持ちで、最後を迎えることができたと思う。

    普段から、まっとうな気持ちでいることや、
    まっとうな、行動をしていれば、
    何も、恐れることなく、何も、後悔はないと思いました。

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