カテゴリー: 月と太陽の傾き

自然という残酷

昨晩あたりからまたミューミューミューミュー、夜中ごろになると子猫がよくないているのが聴こえて来る。昼間も泣いているのかもしれないが街の騒音であまりはっきりとは届いて来ない。

そのベランダから聴こえて来るもの悲しげな泣き声がもうなんというか、耐えがたく、今夜、意を決して携帯電話のライトを照らし、真っ暗な中庭(裏庭)に行ってみた。泣き声は一匹じゃなく2〜3匹、しかも1メートル以上の壁の向こう側、隣りの庭から聴こえて来る。ライトで照らしてもその姿は見えないのに、泣き声はそこにある。母猫はどうしたのだろう。こんなにも子猫たちが泣いて呼んでいるのに。

やりたくなかったのだが、よっこらしょいっと重い体でコンクリートの壁を乗り越え、庭へ降りてみた。泣き声のほうへ近づいていく。ここだ、という場所を見つけたのに、ライトで照らしてもまったく姿が見えない。おかしい。壁と建物のあいだにでもいるのだろうか。ミュー!ミュー!ミュー!ミュー!力の限り、力を振り絞って泣いている。どこ?どこ?どこ?

小さな小さな、10センチあるかないかの、赤ちゃんだった。一瞬ねずみなのかと見間違うほどに小さくて、目も開いていなければ這うことも難しいような、赤ちゃん。母猫は、産み落として、すぐに放棄したのだろう。それなのに、広い中庭いっぱいに響き渡るほどの大声で生きようとしている。・・・ミュー!ミュー・・・!そばに寄ったわたしの気配を感じて、一生懸命、近づいて来ようとする。小さな小さな腕を伸ばして、這っては頭から倒れ込む。ああ。持って行った子猫用の餌など意味がない。必要なのは優しい母猫の胸、ミルク。他の泣き声のするほうを照らしてみると数歩ほどの距離にもう一匹を発見。そして、その一郭に散らばるようにして、もうぐったりと地面の芝に埋もれるようにして、動かないもう一匹も・・・。

どうにもできない。こんなに小さければ連れて帰ったところで、生き延びれない。この暑さでは残りの二匹も明日には安らかに神さまのもとに帰って行くだろう。せめて、そう願いたい。願わせてほしい。早ければ早いほど赤ちゃんたちの苦しみは少ないから。できればくーしやたんたんのように、幸せな猫として現世を過ごさせてあげたかった。ほんの数日でも数時間でも数分でも、助けてあげたかったのに。せめて一度でも、おなかいっぱい食べさせてあげたかった。なにもできなくてごめん。こみ上げて来る涙が止まらない。ほんとうに、ごめんね・・・。なんだか悔しいよ・・・。明日には泣き声が止んでいることを、願う。ああ・・・わたしは、その死んでいるのかわからないそのぐにゃぐにゃしたものが、とても怖かった。力の限り這って来る、生きようとして這う赤ちゃんも、その姿がなぜか怖くて怖くて、触れられなかったんだ・・・。生まれたから、どうしても生きたいに決まってるのに、その姿を目の当たりにして、でも助けてあげられない。まるでゴミのように、庭で、死んで行く。今からでも、引き返すべきなのか・・・ごめん。ごめん。ごめん。

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自然という残酷” への8件のフィードバック

  1. 野生の動物を保護するのは賛成できないけど
    母猫に見捨てられたミャーにお水だけでも飲ませてあげたい。
    3度ごめんとあやまるチカさんに
    3度ありがとミャーと返してくれるとおもうよ。

    何もしないより何かして流そう、涙。頑張れ、ちかさん。

    (牛乳はだめだけどヤギの乳が猫乳に近いってきいたことある。)

    1. ママさん。

      その散らばってる風景にかなりショックだったのもあって、今ひとしきり泣いて、ちょっと冷静になって、朝まで待ってみることにしました・・・。明朝、まだ泣き声が聴こえていたら、ペットショップで子猫用ミルクとスポイト買ってみる。ひょっとしたら一匹ぐらいは助かるかもしれない。でもその後どうするんだってのもね・・・。くーしとたんたんがいるから、むやみに家には引き取れない、そうそう他に引き取ってくれる人もいないだろうし・・・。苦しいよー。

      できること。数ヶ月毎に生まれて来る子猫に関わると辛いので、せめて母猫が生んだ子猫に与えるミルクが十分に出るよう餌を置いてる。それが、わたしのできることなのかなと。

  2. >でもその後どうするんだってのもね・・・。
    私が同じ立場だったら手出しをしていいのかしてはいけないのか迷うとおもう。
    今生き延びたら後は自力で生きられるようになるよ、きっと。と、願ってはじめの一歩を助けるかな。
    そうかぁ、数ヶ月ごとに生まれる子猫。前に「猫に餌をあげるな」(だっけ?)って言う近所の人がいる
    って書いてたよね。(そういう意見は無視して)私も時々みる野良猫に餌をこっそりあげようと
    猫缶買ったことあります。できること。きっとこれぐらいしかないけれどね。

  3. ちかさん。イスラエルからです。

    私も犬をテルアビブのストリートで拾って飼っています。彼女拾ったとき妊娠していました、子供はみんな里子に出しました。今でも子供たちを放したときの犬の顔を忘れません。

    動物は大好きです。しかし、厳しいことを言うかもしれませんが、飼えないんだったら自然に置いておく方がいい、いくら心が痛んでも無視した方がいい。私はストリートにいる猫にも私は餌を与えることはしません。それってカンボジアの子供たち、もの声をしている子供たち、そのたくさんの子供のなかの一人にちょっとしたお金を上げたら、他の子が、どうして彼女だけに挙げて私にはくれないの?と言われたときにどうしますか?? みんなに平等にその行為ができないのなら、はじめからしない方がいい。猫に餌を与えるくらいだったらそのお金を少しずつ貯めて避妊手術をストリートの猫にしたほうがいい。私はアパートの一階に住んでいるのら猫に獲つけをしている人にそう言いたいときがある。彼女がもし引越したら、もし不慮の事故で亡くなったらその猫達はどうなるんだろう。

    私が犬を拾ったとき、ルームメイトに「元の場所に戻してきなさい」と言われました。でも凄い勢いで泣いてすがる犬にどうしてもその場所に置いてけぼりにすることができなかった。選択は2つに1つです。

    私が本当に動物好きだなと思った人は、交通事故とかで死んでしまった猫を高速道路で見つけたときに拾って道端に埋めた人にたいして本当にそう思いました。

    もし、気分を害されたのならすみません。でも私も本当に動物が好きです。チカさんのBlogの題名:自然と言う残酷:本当にそうだって思います。

    宝くじが当たったら国中の動物の避妊処理をしたい。できるのだったら全てのストリートの動物を飼ってあげたい。今度生まれ変わったら獣医になりたい。

    1. チカさん、すみません。しばらくぶりのコメントでしたのでハンドルネームが違いました。以前も数回コメントを残したことがあるのですが、BonBonという名前です。

  4. 時々だけど同じ日本人からみても日本人って怖いなあと思うことがある。
    どうしたら気弱になっている人に上のコメントみたいにずけずけ言えるのかと。
    気を悪くしたらって思うなら書かなきゃいいじゃん。なんだよそれ?
    とくに動物のこととかになると宗教じみたぐらい自分の意見をごり押しするし。
    チカさん、いいじゃない、別に。ノラにときどきごはんぐらいあげなよ。
    すべてに平等なんて、できるわけないんだから。
    人間だし、感情もあるし。
    元気出しなよね〜。

  5. 千花さん

    あのね,あなたの ごめんね を読んで
    涙が止まらなかった。

    たぶん 正しい答えなんてない
    生きる命と命の出会いだけ
    どんなことになったとしても
    求めることは 正しさではなくて

    生きる命が何を求めているかだけ
    どうなろうと、何をしようと 
    その時 できることをするだけなのよね

    半世紀以上を にゃんと生きて来て そう思います。

  6. まー、ウチの場合、そんなこんなで嫁が結婚前に拾った猫達で・・・
    今、家に12匹いるかなぁ~。まだ実家に3匹いるしぃ~。
    遺骨も5つ・・・手放せないねぇ~。

    みな10歳以上から20歳までの高齢猫さんやわ。
    年間、餌代、病院代、もろもろで100万円単位で飛んでいってるね。
    この出費さえなければ、好きなバイクに好きなだけ乗れるってぇのにぃ~って、思うけど、こいつらの顔を見ていると、やっぱり諦めがつくね。

    でも、正直限界! だからここ10年は1匹も拾ってない。
    もし、同じような状況だったとしても、ドライに諦める。

    といっても、ウチの場合、娘達がどこかから拾ってきそうやわぁ~!?

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