カテゴリー: 不思議のクロアチア

ぱたしょん

ゆっくりとバスタブにはったお湯に浸かった。

シャッターの切り過ぎで指ががっくんがっくん。
壁に森に遺跡と歩きすぎてひざが笑い、
ふくらはぎはひっくりかえりそう。
あー、全身オイルの切れたロボットみたい。

ヨーロッパの人は夏になると
どうしてああも肌がきれいな茶色に染まるのか
ふしぎに思っていたが
中東の日差しとはまたちがう、
ここの太陽のせいだった。
あたしの二の腕もこんがりチョコレート色。
お湯が気持ちいい。

旅と撮影のはなしはたくさんありすぎて、
どこからはじめたらいいのかさっぱり。

ザグレブから6時台の飛行機で飛んだ
8月中旬のドブロヴニクは複雑なキブン。
ごった返す観光客に、
それを利用する意地の悪いぼったくり、
壁の中に作られたディズニーランド。
多分、この先ここを訪れることはないだろうな。
真夏の8月には、ね。

ピレ門のバス停でよって来る
安宿(Sobe)の客引きも、

「一泊?フンッ!」
「50ユーロでだって?ハッ!」

客を客とも思わず鼻で笑って去って行く。

レストランで支払い時にレシートを見れば
オーダーしてないものが上乗せ、
二つ頼んだのに三つ。
なんてことはあって普通。
むかし、カークダグラスがやって来たとき、
彼ご一行は飲んで食べて、
日本円で40万円ぐらいのドブロヴニクを満喫した。

「ご会計は400万円です」

そうきたもんだ。
0が一つ多いぞ。
しかしカークダグラス、
その場ではもめ事を起こさぬよう
いわれるままに支払い、
その後しかるべきところにそれを通報したという。

ドブロヴニクはだから
こうして徐々に悪名を高め、
リピーターはつかない。
一度あの紺碧の海とオレンジの屋根を見たら
もうそれでよし。
あの城壁も二度も三度も回るわけもなし。

だけどドブロヴニクは
その名に甘んじて気にも留めない。
だって、なにもしなくても客は来るんだから、
どうしておれたちが努力したりするんだい?
ベッドのシーツ交換だって
たったの一泊だけじゃあ、めんどくさい。
だって、ここは世界のドブロヴニクの旧市街だよ?
一泊120ユーロは払って当然さ。

不正直者、欲に目がくらんだ者はどこにでもいる。
でもなんだかなあ・・・。

自然の美しさ、
食べ物の美味しさ、
素朴な風景、
アドリア海の碧い絶景、

ちまたで噂のすばらしき国クロアチア。
もうほとんどユートピアなクロアチア。

あっちこっちの雑誌で
そんな特集記事を目にすると
いささかうんざりするのはあたしだけ?

って、
こんなことを書こうと思ってたわけじゃなくて、
だけどどうも複雑なキブンなんだ。

閑話休題。

ぱたしょん。

UFOみたいな愛しき姿に、
連れて帰らずにはいられない。

「かぼちゃの種類だよ。スライスして炒めてね」

と市場のおばちゃん。
赤ちゃんの頭みたいに袋の中でずっしり。
うん、かぼちゃの重み。

キッチンでシャキシャキ、
皮ごと5ミリぐらいにスライスして、
ズッキーニに似たその実を
あ、ズッキーニだってかぼちゃの種類か?
溶いた小麦粉に胡麻を混ぜたパン粉で、
衣を付けてカラッと揚げる。
熱々で甘くって柔らかくって、
炒めものにも煮物にも、
そのままショリショリ食べても美味しい。
甘い瓜、薄味のリンゴみたいだ。

「ぱたしょん、ってヘブライ語みたいじゃない?」

シギーに聞いた。

「どっどっどっどっ、って、
道路工事とかで使うあれ、
岩なんかを砕くヤツあるでしょ?
ヘブライ語でパタション。」

ぱたしょん。
ぜんぜんクロアチア語らしくない響き。
語源はなんだろう、どこからだろう。

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ぱたしょん” への2件のフィードバック

  1. 8月27日~9月3日までドブロヴニク~スプリット・フヴァル~プリトヴィツェ~ザグレブを一人旅してきました。20年前くらいに1枚のドブロヴニクの写真を見てから、ずっと興味を持ち続けており、やっと念願を叶えることができました。

    貧乏旅行なのでドブロヴニクではぼったくられるような店に入る術もなく、いずれの街でもバス・船を降りた私をSobeのおばさん・おじさんは完全にスルーしていく状態でした(・・・なぜ? そこまで貧乏そうに見えたのか? )

    おっしゃる通り、確かに海外からの観光客が多かったです。クロアチア・ブーム恐るべし。ドブロ、プリトヴィツェ、ザグレブでは日本人団体ツアーご一行様もうじゃうじゃと・・・。定番のガイドブックや雑誌の切り抜きを持ち、紹介されている店を一路目指している個人旅行者も見かけましたが、その度に何だか情けない気持ちになってしまいました。「なぜ、既定の行動しかできないの?なぜ、情報に黙従するの?」と。

    治安・交通・地理情報など最低限の旅の知識は必要だけど、情報過多はかえって旅の楽しさを半減させるんじゃないかと、別の意味で複雑な思いをしました。

    情報は自分の足で歩いて稼ぐものだと思っているので、Chikaさんの強い好奇心と行動力、コミュニケーション力を尊敬しています。

    ・・・と大仰なことを書いてしまいましたが、ザグレブのアイスクリーム店についてはChikaさん情報を参考にさせていただきました。ヴィンチェック vs ミレニウム。両方食べましたが、私もミレニウムに軍配です。

  2. ziroさん。

    こんにちは。
    念願のドブロヴニク、おめでとうございます。ドブロヴニクは本当に観光客ばかりで、クロアチア語に思えてもボスニアのヒトだったり、実際の住民数は900人だとか言うはなしも耳にします。夕方にはお目当てのレストラン前にずらりと長蛇の列。もちろん日本の人もたくさんいました。仰る通り、ガイドブックはあくまでも参考程度、あとは自分で、がよいと思います。情報に縛られることで不安も大きくなったり、過信したり、情報通りでなくイライラしたり。マニュアル社会の日本らしい、といえばらしい現象でもありますね。ミレニウム、ふふふっ、やっぱりそうですね。

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