2009/07/31 at 7:37 pm (くーし&たんたん, 勝手にレシピ備忘録)
くーしとたんたんはいっつも、ときどき、ドキドキ、ベランダからカラダを半分乗り出しては「下階はなにをするヒトゾ」。下階に住むナタリーとお母さんのベランダを、のぞき込む。
昨夜も
「こりゃ、くーし、なにしてんのん!」
「だってーーっ!」
「だってちゃう。そんなんよそのうち覗いたらあかん」
「だってーーーっ、ミツコがーーっ」
「ンーーー?」
くーしと下のベランダをのぞく。
「あ、チカー!」
「あら、こんばんわ」
ナタリーがくーしとふたごみたいなミツコを抱っこしている。
「くーし、これかいな?抱っこしてもらってるん、うらやましいん?」
「・・・そなことない・・・」
ぷいっ、くーし、ふくれる。
「今からコーヒーいれるから、チカも来る?」
「行く行く」
それから深夜近くまでナタリーのうちで彼女と彼女のお母さんと、特になんてことない話しをしながら時間は過ぎていった。そう、ごくふつうの、家庭に訪れる団らん。「ハリソン・フォード?うちも大好き!」「きゃーっ!趣味あうやん!」「あら、ママはベン・アフレック♪」ムスメふたり「ぎょえー、サイアク・・・」みたいな、そんな時間。同じアパートにこうしてちょっとお茶を飲める友達がいるってすごく便利で楽しいな。

そして今日の午後はパンを焼いた。これだけ暑いと発酵がうまくいく。はず。BGMはゆるやかなフレンチ、トマ・フェルセン(Thomas fersen)「Les Papillons」小麦粉の残りが少なかったのに、うっかり水の量をいつもと同じほどにしてしまって、かなり柔らかい生地になってしまったのに。ふんわり、夏にぴったりの軽いふかふかパンが焼けました。
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2009/07/29 at 6:27 am (月と太陽の傾き)
昨日の午後は久しぶりにMちゃんとお茶をした。まだ20代の彼女と会うときはたいてい、ぐるぐるぐるぐる、言葉はあっちこっちを回りながら、気がつけば数時間。楽しい時間が過ぎてゆく。昨日はここ数日のできごとはなにも話さなかったから、ちがうスイッチが入って、それでよかった。でも、一昨日の夕方は、トラムの窓からぼーっと通りをあるくヒトたちを眺めていて、ふとゆきえさんを思い出し、ふと涙がこぼれそうになった。
昨日も一昨日も今日も、中庭は静かで、それがとても不気味なほど静かで、数匹いた猫たちの誰も見かけない。二匹の子猫が飛んだり跳ねたりしている姿も、いつもベンチの上に置いてあったごはん用のボールも、ベランダからは見えない。くーしには赤いリボンを、たんたんには茶色のリボンを、ほんとうはきれいな桃色にしたかったけど、それしかなかったから、首に巻いた。もし、彼女たちが鬼ごっこの最中に過ってベランダから落っこちても、まさか毒薬の持ち主の隣人はリボンのついた猫までは殺さないだろう。わからないけど。

中庭の2本の木にハンモックをしたらさぞかし気持ちよいだろうな。本なんか読みながら、一階のナタリーと彼女のお母さんとベランダ越しに話しをしたり、そんなのどかなザグレブ生活も悪くない。なんて、そう思っていたのに、もう中庭は冷たく寒い場所になってしまったから、そこには透明のハンモックが,白い洗濯物だけが揺れている。この中庭に降りることも当分しない。
せっかく羽衛門さんがラストケに行こうと行ってくれたのに、昨晩はふたりでバス時刻を調べたりしたのに。あれからまた眠りのリズムがかわって、10時P.M.にはベッドに入り、1時A.M.に目が覚めて、それから朝まで起きている。だからふつうのヒトみたいに朝からバスに乗って旅行なんてできっこない。
今日も7時A.M.がやって来る。さ、寝よう。昼にはまた起きるんだから。
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2009/07/27 at 11:32 am (月と太陽の傾き)
まずはじめに、ミコちゃんたちへわざわざお言葉を寄せてくださって、どうもありがとうございました。ほんとうに、心から感謝しています。ミコちゃんたちのことを書いて更新したあとで、「読んでくださっている方々にも辛い気持ちにさせてしまい、しかも言葉まで残してくれとは大変無神経なことを頼んでしまったのではないか」と投稿を下げようかとも思いました。が、ミコちゃんたちのためにそのまま掲載しておくことにしました。もう一度、ありがとうございました。
こうして生きていると、ふしぎなもので、いろんなことがいろんなタイミングで起こります。ミコが亡くるその数日前からどうもその日はなにか「たましいの関係」の大きなできごとが起きるだろうと、漠然と、でもかなりの確信でそう感じていました。それがなにかの死なのか自分の身になのかそうでないのかまではわからなかったのですが、たましいの移動、みたいなことでしょうか、そういうものを感じていました。はい、わたしにはちょっとそういうへんな勘というか感というか、そういうことが時々あります。
ミコが亡くなった同じ日、金沢の朱鷺の苑という本当にすばらしい老人ホームで生活していた祖母が亡くなりました。朱鷺の園が大好きで、90近くまで一人暮らしをしたあと園で暮らすようになってから、それまでの様々な心配事などがすっかりそげ落ちたように、本当にもうこの世を越えてあちら側に半分いるような菩薩様のような表情で毎日とても幸せそうに暮らしていました。が、その日、園での夕食後、あっという間に眠るように逝去したと父からの連絡。でも昨年の暮れあたりからしばしば体調を崩し入退院をくり返していたため、いずれこの日が来るのはわかっていたので、そしてミコの死に散々泣きくれたあとだったのでか、その知らせはさほどのショックもなく受け入れることができました。知らせをうけてから、ああ、なにかあるなと思ったのはミコたちだけじゃなくこのこともだったのかと。
ゆきえ、享年95歳、いつも元気で病気一つしたことがないのも祖母の自慢でした。父のメールは相も変わらず事務的だけど、「はるか彼方から合掌して送ってあげてください」とあったので、そうすることにしました。珍しく受け取った兄からのメールには、「おばあちゃんな、むっちゃきれいな顔してたで」とありました。

ある春の日のゆきえさん。
おばあちゃん、わたしが生まれてからこれまでずっと、ありがとう。大好きだったよ。今でも大好きだよ。ここしばらくは記憶が曖昧になってきて、だけどわたしが訪ねて行くと「あんた、ちかちゃんやね?かずこのむすめやね?そやね?ちかちゃんやっちゃ、ちかちゃんや」と彼女の生まれ故郷の富山弁で、一生懸命わたしのことを忘れまいとして何度も何度もくり返し、本当に愛おしそうに、優しい笑顔でわたしの顔をのぞき込んでくれました。最後に会ったのはもう3年も前のことだけど、それがちょっと残念な気もするけれど。でもおばあちゃんの中では3年前も昨日もちがいがなくなってたから、まあいいか。ミコはおばあちゃんが一人で逝かないように一緒に行ってくれたのか、それともおばあちゃんがミコを連れて行ってくれたのかな。今頃はみんなであちら側で楽しくくすくす笑いながら幸せにしていることでしょう。おばあちゃん、どうもありがとう。いつもわたしをバックアップしてくれてありがとう。また、会いましょう。
*ミコの件でメールを送ってくださって、どうもありがとうございます。が、お返事、ちょっと遅れそうな感じです。ごめんなさいー。もう少しあたまがクリアになったら書けそうです。
*それから、わたしは元気です。大丈夫。くーしとたんたんもいつも通り元気全開です。でもちょっとまだぼーっと疲れているのも事実なので、ぼちぼちスローに行きますね。
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2009/07/25 at 11:57 pm (月と太陽の傾き)
結論だけ言うと、ペットタクシーでザグレブ大付属動物病院のドクターの元に連れて行った最後の一匹だった子猫ミコ(チビちゃん)も、助かりませんでした。あの子と他の子たちの病状はここでは書くのは憚れるほど、もうどうにも手の尽くしようがなかった。小さな小さなミコは、子猫用ミルクを一緒に買いに行った一階のナタリーとおばちゃん、バイクで飛んで来てくれた友人のクリスチャン、そのまた友人、わたし、ドクター、たくさんの愛に見守られて、大好きだよ、今度は幸せになれるから大丈夫だよ、大好きだよ、もう痛くないよ、またね、バイバイ、バイバイ、大好きだよ、そう何度も何度も撫でながら伝え、痛みのないところへと安らかに、眠りにつきました。一生懸命、生きようとして、何度かはミルクも自分から欲して飲んだけれど、だけど、どうしようもなく、だめだった。
病院のゲートの前でその30分ほどのあいだ待っていてくれたペットタクシー(ザグレブで営業しいるペット運送専用の個人タクシー)の、すでに行きに事情を伝えてあった運転手のおにいさんブドミルが心配そうに「どうだった?」と尋ねてくれた。ブドミル、どうもありがとう。尋ねてくれてミコもきっと、感謝しているでしょう。ブドミルの一家は動物大好き一家だそうで、犬も猫もたくさん同居していて、それでペットタクシーをしているのだという。でも最近、ブドミルのかわいがっていた猫君が誰かに盗まれたそうで、とても悲しそうだった。自宅前について、往復運賃117クナ、手元には50クナ紙幣が3枚。ブドミルもおつりの持ち合わせがないというので、感謝の気持ちとしてそのまま150クナ受け取ってもらうことにしたのだけれど、「今回はそれはできない、100クナでいいから」と律儀なブドミル。ほんとうに、どうもありがとう。もう一度お礼を言って、名刺をいただいてお別れしました。小さな小さなミコとのいくつかの小さな出会い。ミコと出会った人たちは確実にミコからなにかをもらったよ。ミコ、力の限りの声で、わたしを呼んでくれてどうもありがとう。ミコちゃん、大好きだよ。ありがとう。
*ひとつひとつへの返事は差し上げられませんが、それでもよければ小さなミコちゃんたちへの言葉を残してくださいませ。読んでくださって、どうもありがとうございました。
(ミコと他の子たちが置き去りにされた経過がわかりました。が、この先は、かなり気分が悪くなるかもしれないので、読みたい方だけ、お願いします。またコメント欄をクリックすると下の記述も開くのでご注意を。)
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